Apr-10-2011
「匿名歌手の反原発ソングがアップされて話題になっているのだが、見た目がもうおまえさんにしか見えない」というメールを、僅か3通頂戴しまして、すわ、物まね芸人のホリ氏が久しぶりで行動に出たか!それにしてもまさか反原発ソングとは!すげえ!!で、誰の物まね???と思い、クリックしてみたら何とホリ氏ではなくシンガーソングライターの斉藤和義さんでして、ワタシの見立てでは、斉藤和義さんはブルージーでエロい大槻ケンヂさんなので、これはもう無茶苦茶カッコ良いのであって、要するにぜんぜんワタシに似ていない訳です(過去、「記憶喪失学」のジャケットの壁画がダイアモンドユカイ氏に似ている。という指摘もあり、これは「あ、氏には失礼ながらちょっと似てるかも(笑)」と思いましたが)。
動画の下にあるコメント欄。みたいなのを拝読すると、これが延々と長く(連日冗長な長文を書いているワタシが言えた義理ではありませんが・笑)、とはいえ面白いのですっかり読んでしまいまして(震災以来、テレビとパソコンにへばりつく時間が増えて、マジで困っています。体重がどんどん増えて行く)、これぞロックだとか、いや売名行為だとか賛否両論の嵐でありまして、そもそもロックに疎く、ロック的という勘所がまったく掴めないワタシとしましては「えー、これ、立派な<日本の社会派ロック>じゃないの?この感じ。違うか」とか、足下おぼつかない考えが巡るばかり、とてもコメントなど出来る立場にはありませんけれども、唯一、ロックファンの皆さんが誰一人として資生堂さんにお気遣いなかったのが残念でありました。
資生堂さんになど気を使わないのがロック魂なのかも知れず、言うだけ野暮かも知れませんが、とはいえワタシが申し上げたいのは、この曲が資生堂のIN&ONという製品のコマーシャルソングであって、タイアップ契約を結んだだけと言えばそれっきりとはいえ、自社製品、しかも化粧品という清潔で健康的なプロダクツのイメージに選んだ歌を替え歌にし、「クソ」とか「黒い雨」とかいった言葉を、知らない悪いヤツにならいざしらず、タイアップのお金を支払った(結構な高額だと思われます。うらやましい!!)アーティスト当人にあてられてしまった資生堂さんとCM関係者の心中を思いやってあげてつかあさい。大気汚染も海水汚染も問題ですが、イメージ汚染だって問題でごたる~。といった事では全くありません(それも若干問題だとは思いますが、まあ、それによって資生堂側の誰かの首が飛ぶとかでもなさそうですし)。
それよりも、ワタシが申し上げたいのは、こうして、この曲が資生堂のコマーシャルソングであったが故に、この歌で最もストレートにDISられたのが東電でも原燃でも政府でも、原発設置によっていくばくかの利益を得た地域住民にでも、それらを緩く許容した、斉藤さんご本人を含む、都市民総てでもなく(それらに対しては、言うまでもなく、こんなにもストレートな物言いでは、メッセージの攻撃力が複雑に屈折し、拡散してしまうのは避けられないので)、何と資生堂になってしまうのである。という事実に対してもっと目を向けて頂けたらなという事です。この構造が、なんちゅうか勢いとノリみたいな事によって問題視されないとするならば、それは原発が勢いとノリみたいな事によって安全視されたりしていた事と同一化、つまり、ボケーっとした話になってしまいます。敵は己の中にあり。と言いますが、ロックの闘争というのは、そうしたアンヴィバレンツを含むものかも知れず、とまあ、ちと、やはり勘所が解らないので、発言の勢いに欠けるきらいがありますが。
あと、これは、論文や新聞記事でもあるまいし、歌の歌詞に文句を言うのも野暮ですが、「黒い雨」というの言葉のチョイスにも基本的な問題があります。これも「広島と長崎の方々の気持ちを考えろ」といった意味ではなく(そこにフォーカスを当てる方も当然いらっしゃるでしょうが)、それよりも、そもそも斉藤さんご本人が、「黒い雨」というものを「原発事故等で空中に飛散した放射性物質が上空に滞留し、自然発生した雨雲と合流する事で、自然発生する降雨に、結果として放射能汚染が生じる事(なので、世界中のどこでも降り得るもの)」だと思われている節があり、それが概ね間違いであるからです。
「黒い雨」は、そもそも俗語であってテクニカルタームではありませんが、現在の所の、やんわりした定義では、原子爆弾の爆発、或は大規模な核実験によって急激に発生する、高濃度の汚染を帯びた上昇気流が、あたかも自然雨のような格好で、投下直後に爆心地近隣に降り注ぐもの、あるいは二次的に、爆弾投下によって発生する大規模な火災(もの凄い大規模。それによって雨雲が発生するほどの)によって生じる上昇気流によって発生する以下同文。であって、いずれにしろ「不自然降雨」とでも言うべきものであり、自然発生した雨(原爆投下があろうとなかろうと、降る予定だった)との諸関係については、実のところ余り良く解っていない筈です。
そして、福島原発事故の直後に、例えば建屋の水素爆発の際の爆風の勢い等によって急激に上昇気流が巻上がり、爆発直後に近隣に降雨があったという事実は一切報道されておらず、前述の通り、斉藤さんが単に語義の間違いをしているのであればともかく、もしこれを、「報道されていないだけで、実際に福島に黒い雨が降った」とするならば、斉藤さんは大変なジャーナリストもしくは被害妄想という事になってしまいます。要するに、どちらにせよ、揚げ足取りをされてしまう可能性を残しているという事です。
言うまでもなく、ワタシは自分の勘所が悪いが故に大絶賛したり大批判したり出来ないだけで、ロックの社会派メッセージソングというもの総体に対して特に何の異論もありませんし、斉藤さんの音楽はかなり好きですし(あの、風俗嬢の歌とか、泣いちゃいますよね)、それより遥か以前に、誰が何を歌おうがまったく構わないのですが、ここでもし「歌の力」というものを、「歌詞という言葉に込めた力」に還元し、その力によってファックな奴らを直接的に撃つ。という構造で捉える限りにおいて、これはのっぴきならない言葉の戦闘ですから、脇は固ければ固い方が良いと思われ(そうでもないのかも知れない。過去の反戦フォークとかロックとかをざっと聴く限り。というか<音楽による社会的メッセージ>なんて、ジャンル関係なく、どれも脇が甘いのが魅力なのかも。少なくとも<ジャズの社会派>に於ける歌詞に、左翼的/半体制的に有効なものなどひとつもなく・笑・例えばミンガスの有名な「フォーバス知事」なんて、汚い言葉をもの凄く良い曲と演奏の上で怒鳴り散らしているだけで、結果として一番近い感覚は、面白いです・笑)、そしてそれは、意図的/効果的にやろうと狙う。つまり勝ちに行こうとする限りにおいて、ですが、もの凄く難しく、衝動任せに替え歌を作る事では、かなり難しいのではないかと思います。
というか話はむしろ逆で、何かを撃つ本質的な言葉の力において、わざわざこうして中指を突き立てた替え歌を作らずとも、斉藤和義さんには「歩いて帰ろう」というとてもステキな曲がありまして、これ<ポンキッキーズ>という児童向け番組の(確か)挿入歌ですが、老婆心ながら申し上げるならば、これをそのまま、まったくいじらずに歌った方が、現状に対する、痛烈な批評として、「ずっとウソだった」より、遥かに強い力を発揮したのに。と思うばかりですね。
歩いて帰ろう
走る街を見下ろして
のんびり雲が泳いでく
誰にも言えない事は どうすりゃいいの?おしえて
急ぐ人にあやつられ 右も左も同じ顔
寄り道なんかしてたら
置いてかれるよ すぐに
嘘でごまかして 過ごしてしまえば
たのみもしないのに 同じ様な朝が来る
走る街を見下ろして のんびり雲が泳いでく
だから歩いて帰ろう 今日は歩いて帰ろう
嘘でごまかして 過ごしてしまえば たのみもしないのに
同じ様な風が吹く 急ぐ人にあやつられ 言いたい事は胸の中
寄り道なんかしてたら 置いてかれるよ いつも
走る街を見下ろして のんびり雲が泳いでく 僕は歩いて帰ろう
今日は歩いて帰ろう
これは手厳しい。ちゃんと政府と東電にストレートなパンチが入っていますし、それに支配される、ご本人も含む市民社会に対してもパンチが入っています。何せ「帰宅難民」「被災者」というトレンディな社会現象もしっかり扱っており、しかもそれらすべてが、「そんなつもりで書かれた訳ではないのに」という、強いイメージ喚起力、つまり批評の力を持つ、とまあ「直喩と暗喩では暗喩の方が、意識と無意識では無意識の方がよく効く」というシンプルな話でもありますが。
チャーミングな斉藤さんですから、ファックのフライングもまた魅力のうち。ダーティーダズン(知力を使った罵りの技術。上手くやれば、一撃で王も殺す)としては図らずも自爆してしまった格好で、しかしまあ、それもまたよし(フロイト的に言えば、斉藤さんは「歩いて帰ろう」の、あまりに痛烈な批評の力の発生ーー自分でコントロール出来ない。言わば、事故を起こした原発の様なーーを無意識的に抑止しようとして、がむしゃらにファックを投げつけた。という事が可能です。これは*追記になりますが、斉藤さんは「ずっとウソだった」を含む、話題になったUSTライブのセットリストから「歩いて帰ろう」をーーおそらく無意識的にーーー除外しています)。これで改めて斉藤さんを嫌いに成った。などと言う人は、これがなくともいずれ嫌いに成っていたか、やがて許す人でありましょう。しかし、ワタシが「普段通りの音楽を続けるのが一番のメッセージである」「平時から、芸術というものは、有事の備えになっているべき」というのは、例えばこういう事なのです。平原綾香さんの「ジュピター」が、既発曲でなく、震災後にわざわざ、被災者へ癒しと人類愛を伝えるための楽曲として作曲されたものだとしたら、これはおそろしく売れたであろうと同時に、ネガティヴジャッジは<チャーミングなフライング>程度では済まされなかったでしょう。ごきげんよう。
現在、この一言が言ってはいけない言葉のような風潮になっており、本当はそうなのに、メディアリテラシー高い人ぶらないと恥ずかしいので言えないという御同輩も多いでしょうから、諸氏の抑圧をかるうくベントしたという事にでもなるでしょうか。「本当だ!すっきりした!」という方は、道であったら一杯奢って下さい。ワタシはどのマスメディアを信ずるかといえばこれはもうシンプルにテレビジョンです。テレビジョンを信じております。
紛いなりにもインターネットメディアの中で「テレビを信じる(まあ、地上波だけではなく、今現在、ワタシの部屋のテレビジョンには「朝日ニュースター」の「ニュースの深層」が流れており、上杉さんという、非常に真面目かつクールで、アタマの良さそうな方が話しておられまして、ワタクシこの方になかなか好感を持っているのですが、ちょっと勘の悪い人だな。とも思います。「ツィッターではコスモ石油に関するデマが2日で消えた」と、さもツィタリアンのメディアリテラシーが高い的に、頼もしそうに語っておられましたが、あんなもんツィッターと関係なく、誰だって直ちにデマだと解る訳で、ワタシの認識では、ツィタリアンも、テレビだけのおっさんも、ラジオ派の好事家も、地下文章漁りの陰謀論者も、メディアリテラシーに大差はありません、違いは個々人のトラウマのあり方だけです。とはいえこの方も「テレビに出てくる人」なのでワタシの信用の一翼を担っています)」などといえば、北米の都市部でイスラム原理主義である旨表明したり、あるいはその逆、といった有様でしょうから、不謹慎というよりも、これでは奇矯なことを言ってブログ界で目立とうというセコい輩とでも思われてしまいそうなほどです。
しかし勿論これ、「いろいろ問題はあるけどテレビジョンが結局長い目で見ると一番正しい」とか「左翼系の紙媒体やウエブサイトなどはバイアスがかかっているのでダメだ」とかいった、はすっかいな物言いをするつもりも全くありませんで、話はいつでもシンプル極まりなく、自分の世代のメディア。という中年男性におなじみの、あの手に負えないノスタルジアです。ワタシは、父親の代まで遡っても、「マスメディアは大変な嘘つきで、国民に悪い事は言わない。国民は、騙されてばかり」と刷り込まれてきました。それでも信じています。不利益が全くなかったからです。ワタシは読者の皆様と同じく、自分が高い確率で体内被曝しているとしか思えません。それでもです。
現在を1936~7年に移動させるならば、いわば東電が軍部であり、テレビが新聞と映画ニュースであって、時の政府を欺いたり結託したりしながら、国民をミスリードしようとしているという事(75年前は、二次大戦に向けてのミスリードですが、現在は、暴動なき復興もしくは危機への順応に向けて)は、いくらワタシがタクシーに乗る度に「お客様の安全の為、シーベルトをおさげ下さい」というギャグを脳内で反復し、「これをラジオで言ったらまたしてもパースナリティをクビになってしまうだろうか。でも言いたい。くううう」と煩悶するのが日課になっているような大バカであろうと解りきっています(さきほど、前述の上杉さんが、奇しくも全く同じ事を若干ドヤ顔で仰っておりまして、ワタシと同じ事を朝日ニュースターでドヤ顔で言っているのだから、これはちょっと勘が悪いと思われても致し方無し。まあ、そこが可愛い訳ですが)。
時にパニック回避の為、時に一部のお偉いさんの保身のための情報操作/隠蔽ということを、もし軍部(にあたる集団)と政府と、この両者に飼われたマスメディアがやらなかったら、これはかなり異常な事で、深刻な事態つまりレベル7に相当するでしょう。マスメディアというのは、極言すれば、市民にウソを流して統治するという力を、属性として持っています。ですので、二つの世界大戦といくつもの自然災害を経た20世紀というのは、マスメディアのこの属性を、否定的に捉える。というのが最も正しい態度だ。としてきました。海外ジャーナリズムというのは、そうした態度の、最も真摯で実行力のある集団であり、残念ながら我が国には、海外的な意味でのジャーナリズムはありません。福島の強制退去地区、あるいは原発敷地内に向かったジャーナリストは全員外国人です。懐かしの山路さんが何をしてるかというと、被災地で彷徨うペットたちの保護と帰宅の介助で、大変な英雄になっています。
そろそろコイツ、皮肉に転ずるのだな。とお察しのアナタは早計です。この文章は最後までマスメディア批判も擁護もありません。元来「信じる」という行為には、合理的な理由はほとんど必要なく。否、合理的な理由等無いからこそ信じるという行為が成立する訳ですから、フロイトの言う「合理化(「すっぱいぶどうの理論」みたいなヤツですね)」が、如何に、信ずる事と似て非なる物が解ろうというものですが、まあそこまでガチに考察などしないまでも、要するにワタシは「こいつは大変な嘘つきだが、オレに大変な不利益を起こした事が無いし、そもそも最初から好き」という状態を「信じる」と言っている訳です。そういう意味(運命論も、ですから含まれてますよねこれは)で、テレビを信じています(前述の、脆弱な日本のジャーナリズムも、マスメディアの奥さんみたいな物なので、共に信じています。上杉さんは、ネット、特にツィッターがその座にあると仰っていました。ただ、この夫婦を、単に好き嫌いで比べるならば、夫のがちょっと好きですね・笑・というか、奥様とのつきあいがほとんど無いので)。「信じられるもの=信用に値する誰かがくれる、正しい情報」に決まっているじゃないか!!というアナタ。今までよくまともに生きてこられましたなあ。尊敬に値します。皮肉ではありませんよ本当に。ワタシ、自分が信じる物ではなく、みんなが信じるものを第一義に持って来たら、とっくにくたばっていたと思います。
この一ヶ月で、メンタルが壊れてしまった音楽家を幾人も知っています。直接の被災よりも、主に情報による被災なので、三次被災(情報被災)と言えるでしょう。テレビだけでいっちゃってるナーヴァスさんもいると思いますが、少なくとも、ワタシの知人に限って言えば。ですが、テレビもそうですが、そこにインターネットがくっついたヤツがヤラれてますので、これはタバコと酒をどっちもやるようなものでしょうか。一番KO率が高いのは、義侠心に駆られて、打たれ弱いのに被災地に直接行ってしまったヤツです。「情報が欲しい、本当の被災地の姿を知りたい。なんて思ったのが運の尽きだったよ。しばらく中毒みたいに通って、帰って来たらまったく眠れなく、喰えなくなった」といって横たわったりしていますので、なかなか青臭いことを言うねえ。テレビを信じたり信じなかったりするからだよ。何かを信じるというのは、暖かくて、有り難くて、嬉しい、といった、胎内的な快楽とは全然違うのよ~ん。オトナなら自分の精神力をきちんと見積もりたまえ。等と言いながら背中をさすってやりました。
と、徒然なるがままに書き連ねておりますが、一体何が言いたいのかと申しますと、明日の晩、ラジオの第一回収録があり、さすがにワタクシ、途方に暮れております。どういう感覚でマイクの前に座れば良いのか、座ればマイクがワタシを導くでしょうけれども、ネット局には福島放送も含まれています。番組ディレクターは、「ユニヴァース」終了直後からずっとワタシにラジオ番組を持たせようと尽力されて来た方です。クビにならないように、カチンコチンでつまらない番組になる事が、基本的には軽躁で、つまり病的なまでにポジティヴなワタシの、今の所唯一の悩みですね。
実のところ今月は、エリザベス・テーラー追悼公演のみでなく、パードン木村さんのバースデー・ライブ、濱瀬元彦ELFアンサンブル、そしてクオシモード(これまだ終わってない)と、ライブが目白押しでして(新宿のブルックリンパーラーでDJもやります。もうほとんどソールドアウトですが)、演奏はもう言わずもがな最高最高問題無し、テレビも大好きで信じておりますし、当欄のような無検閲の文章も気楽な物ですが、ラジオというメディアは嫌いな訳も無く、むしろ大好きな上に、テメエに向いていると思って疑わないのですが、テレビとも演奏とも違いますし、これが逆にもう、そして僕は途方に暮れ果てています。
何とか苦闘しながらでも、伝えて参りたいと思っております。音楽の素晴らしさ。そして、生活の楽しさ、笑うと健康に良いという民間伝承の正しさを。ごきげんよう。
菊地成孔の1行(厳密には数行)情報
<マネージャーのブログが引っ越しました>
* 2011年からフォームも新たに立ち上がりました。当欄以上に迅速かつ詳細ですので、菊地成孔の刻一刻と更新される日々の情報はコチラで↓
菊地成孔マネージャーの速報(ブログ)
http://naganumahiroyuki.seesaa.net/?1296834004
<菊地成孔の全集「闘争のエチカ」>
*今になってまた徐々に売れて来た。どどどどうして?(お年玉か)↓
「闘争のエチカ」商品説明(過去ログ)
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=100812132059
「闘争のエチカ」予告編(you-tube)
http://www.youtube.com/watch?v=M4Zy-TfGO_w
<DCPRG活動再開ライブ(日比谷野音)の音源を、DVDR+写真集の形で販売します>
*DVD-Rだけでも買う事ができ、写真集は受注印刷(プリントオンデマンド)に。DVDRになったのは、CDだと1枚に入りきらないからで、動画はありません。詳細は後日↓
http://natalie.mu/music/news/44853
<「オトトイのダウンロード数的には記録的な売れ行きだ」と高見Pが言っていたけれども、本当でしょうか>
* DCPRG活動再開ライブ2京都KBSホール/ボロフェスタのライブ音源を高音質配信にて販売中↓
* http://ototoy.jp/feature/index.php/2011012801
菊地成孔の関連サイト
<ニューメロ・トーキョー>
http://numero.fusosha.co.jp/extra/ito_kikuchi/
伊藤俊治先生との対談。という、脱力でも入力でもない、絶妙な湯加減のオトナのカルチャー対談になっております。連載のタイトルは「遊び飽きかけている遊び人達へ」。
<マトグロッソ>
http://www.matogrosso.jp/
http://matogrosso.jp/soundtrack/soundtrack-03.html
「マットグロッソ」というウエブマガジンです。小説にサントラはあり得るか?といった、まあ、文芸批評と音楽批評をくっつけたお遊びですね。
<「服何故01」>
http://ksuque.blog.drecom.jp/archive/278
菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。
<AYAKO OKUNO>
http://www.ayakookuno.com/main/top.html
現在、菊地成孔が着用している帽子の90%はAYAKO
OKUNOで発注した一点ものです。デザイナーの奥野さんは関西在住ですが、全国どこからでも受注されていますので、菊地のアレに似た感じの(或は、まったく同じものを)ものを、といった注文から、あなた独自のオリジナルな発注までオーケーです。
菊地成孔の雑誌連載
<ファッションニュース>
http://www.fashionnews.jp/magazine/fashionnews/
「服は何故、音楽を必要としているのか?」という連載で、パリ、ミラノ、東京のファッションショーと、使用されている音楽との関係について批評しております(この連載をまとめた物が「服は何故、音楽を必要としているのか?」です)。(6000文字)
暖かく成りました。眠く、腹の空く季節ですな。たった今、赤坂はTBSラジオの第二スタジオで番組一回目の収録を終えて歌舞伎町に帰還致しまして、もうとにかく、聴いて頂き、楽しんで頂くしかありません。トークの部分(特に、歌舞伎町の夜の会話。メインは言うまでもなく原発ネタ)はドキドキもんですが(笑)選曲と曲解説は我ながら良い感じで、とにかくAMでは絶対聴く事のないタイプの上質の音源を、歴史的名盤から誰も知らないレア盤まで見繕ってお届けしておりますので、音楽番組として充分水準はクリアしているつもりであります。今までと違い、AMの1時間番組なので、喰いきりというか、がっつりコース料理みたいな感じではなく、さっと蕎麦屋で天丼セットを中生で喰う様な感じ、ビストロで言うならばカウンターで大盛りのサラダリヨネーズとグラスワイン3杯とパンだけでさっと帰る充実感に近いと言えるでしょう。
現在、ナオミ&ゴロー&菊地成孔のアルバム(こちらはコラボアーティストとして参加)と類家心平フォーピースバンドのアルバム(こちらはトータルプロデューサーとして参加)を平行して制作しながら、5月のブルーノート公演2デイズの準備を進め、ラジオのレギュラーが始まった。という流れで、まあ4月というのは多くそういう月ですが、いろいろとシフトチェンジがありますので、今回は一行速報として列記させて頂きます。現在我が国は、ワタシと言わず誰と言わず、どんなイベントやプロダクツが流れ、どんなイベントやプロダクツが急発してもまったくおかしくないという乱世の中、4月と言っても、1000年に一度の4月ですから、以下の懸案も、実際にどうなるか保証のほどはありません。しかし、実のところ、総ては最初からそうなのであります。
1) 新宿三丁目、バルト9のビルの地下にある「ブルックリンパー
ラー」でDJをします。もうほとんどフルハウスと聞いていますが、まあでっかめのカフェなので、ふらっと来ても入れるかもしれません。
*こういったノリの、こういった場所の、こういった企画ですので、まあその、よしなにお願いします(笑)↓
http://www.vogue.co.jp/lifestyle/news/2011-04/05/brooklynparlor
http://www.brooklynparlor.co.jp/
2)延期になっていた「HOT HOUSE」ですが、5月13日の金曜日(笑)に開催が決定しました!!!これにより、「HOT
HOUSE」は、5月13日の青山CAY(チケット未発。今後の情報を待たれよ)でぐっと締まった中規模の、そして7月9日の日本橋三井ホール(チケット既発。どんどん買われよ)でドカンと大風呂敷ひろげた大規模のパーティーとして開催されます。
*↓HOT HOUSEとは?(今読み直しても、この流れはヤバい)
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110227205509
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110311015816
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110312042629
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110312135142
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110312180930
*7月のハコである三井ホール。このときは、フロアのエリア的にも踊る人(フロア前方)と踊らずに鑑賞する人(フロア後方)がはっきりと別れるロンドン式。
http://www.nihonbashi-hall.jp/
3)8月4日の「札幌シティジャズ」への出演、そして8月26日のブルーノート東京公演が決定しているダブセクステットですが、ブルーノート公演に向けて、久しぶりで国内サーキットを敢行します。詳細はまだ出せませんが、サーキットコースは横浜、名古屋、大阪と、大体いつもの通りです。
4)ワタシの最長連載となっておりますファッションニュース誌の「服は何故、音楽を必要とするのか?」ですが、ファッション界への逆風や構造不況など、様々な外圧により、本誌自体が大幅なリニューアルとなり、それを受けて、少なくともファッションニュース誌上では自動的に終了となりました。今後は規模や内容を変え、舞台を本丸であるWWDジャパンに移す可能性が出ています(一応未定)
5)来月に校了し、夏には発売だった予定の「時事ネタ嫌い」書籍化ですが、文字通り震災という最大時事ネタの発生を前に、著者と編集者の同意の元、一度発売をペンディングし、熟考の上新たなパートを書き加えて編集し直そうという動きになりました。
6)幻の大著「M/D」の文庫化は震災の影響をまったく受けず(笑)ガンガン進んでいます。文庫版の追加書き下ろしも豊富に含んだ完全版にしますのでお楽しみに(大体夏に発売予定)
7)グルメ本はまたしても頓挫しています(笑)。気長にお待ちください。
8)映画に関するイベントは総てペンディング状態になっています。気長にお待ちください。
9)菊地雅章さんから、お礼のメールを頂戴しました。菊地雅章さんはお元気です。帰国された際には、いつでも我々のバンドでプレイして頂ける様待機しています。現在の日本国は、あなたの音楽性に最もフィットする状況になっています。とお伝えしました。
10)ワタシの私塾である「ペンギン音楽大学」の理論科の募集ですが、今年も行います(サックス科は行いません)。今年は震災の影響もあり、6月から6月まで。というイレギュラーな年度になりますが、5月になりましたら募集告知を行いますのでお待ちください。
11)06年よりご愛顧頂いた当サイト「ペリス」ですが、4月下旬~5月初旬で新サイトに移ります。「ペリス」のテキストと写真は、総て新サイトに総て格納されますので、慌ててダウンロードする必要はありません。新サイトの開設詳細に関しては当欄でお伝えしますが、名称は「第三インターネット/internet
tierce」略して「第三インター」となりました(訳としては「Le troisième Internet」のが良いのですが、あまり良い響きではないので、「internet
tierce」が正式タイトルで「第三インターネット」という日本語が意訳であるという形を採っています)。
12)「闘争のエチカ」が、アマゾンで買えるようになりました。
と、これ(シーズン変わり目の、一行速報一覧)をやるのも久しぶりで、そぶりもフォームもまったく同じですが、気分は以前と随分違います。何年も前から、ワタシは(懐かしき「2000年問題」は生きていて、それにより)今年を21世紀の開始年であると申し上げてきましたし、乱世は自分を生き生きとさせると申し上げてきましたが、まさかこれほど素晴らしいお膳立てになるとは思ってもおりませんでした。<岡本太郎氏の言葉が、若い人々に大人気!若者曰く「背中を押してくれる」>というあのかったるいとしか言いようの無いニュースは、震災後もパワーを持ち続けているか。実のところ、同じような発言をダリもピカソも繰り返していますので、あれはパリで勉強し、帰国した天才画家のクリシェなのですが、目をくわっと見開いた愛すべき狂人達に言われるまでもなく、人間の生命は、死ぬかもしれないと本気で思った瞬間に最大の高揚を記録します。
ここに列記した総ては、一つ残らず、明日には無意味に成ってしまうかもしれない。ラジオは、一度も、或は数度しか放送されないかも知れない。こんな図式的で強烈なエロティシズムがあるでしょうか。既にプルトニウムが体内に入っているかも。と想像した瞬間にガックリ来る者と興奮する者がおり、共に愛すべき大変な愚者ですが、恥ずかしながらワタシは後者という愚者です。しかし、だからといって、下半身を丸出しにし、ハアハア言いながら路上に立ったら、それは市民というよりも、どちらかと言えば市民の飼う犬に近い。しかし、人生最大の興奮を迎えているのに、普段と全く同じ素行のままの犬がいたとしたら、それはドーベルマンやシェパードでなくとも、世界で最もクールでセクシーな犬であると言えるでしょう。先日行われたブルーノートでのエリザベステーラー追悼公演をご覧になった湯山怜子さんは、終演後ワタシに近づくなり「銀座に寿司喰いいこう!今こそ寿司だぜ!うっはっはっはっは!」とおっしゃいました。最後にご報告を。こういうメールを頂戴し、お返事させて頂きました。あな嬉や。本日はイスラエル産のドライフルーツを齧りながら書かせて頂きました。ごきげんよう。
菊地成孔様
初めまして、○○と申します。お伺いしたいことがあり、メールしました。
点字図書館からの依頼で、「スペインの宇宙食」を点訳してます。文中で読み方がわからないものがあるので、お教えください。
「(パタフィジークによる)危機の数は13」の登場人物で、蛇荘・ビジュリー、イトミ・論儒・山本、魚田少年、はどう読めば良いでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、お教え願えれば、幸いです。よろしくお願い申し上げます。
<キャプション>
我ながら恐ろしい事にこの一ヶ月で異様に若返り、高校生の様なつるんとした顔つきになっている。危機感は最大のアンチエイジングであり、デカダンや鬱は最大のエイジングである。嬉しいかって?ぜんぜん嬉しくないすよ。恥ずかしいかって?ぜんぜん恥ずかしくないすよ。
菊地成孔の1行(厳密には数行)情報
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「闘争のエチカ」商品説明(過去ログ)
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「闘争のエチカ」予告編(you-tube)
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菊地成孔の関連サイト
<ニューメロ・トーキョー>
http://numero.fusosha.co.jp/extra/ito_kikuchi/
伊藤俊治先生との対談。という、脱力でも入力でもない、絶妙な湯加減のオトナのカルチャー対談になっております。連載のタイトルは「遊び飽きかけている遊び人達へ」。
<マトグロッソ>
http://www.matogrosso.jp/
http://matogrosso.jp/soundtrack/soundtrack-03.html
「マットグロッソ」というウエブマガジンです。小説にサントラはあり得るか?といった、まあ、文芸批評と音楽批評をくっつけたお遊びですね。
<「服何故01」>
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菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。
<AYAKO OKUNO>
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現在、菊地成孔が着用している帽子の90%はAYAKO
OKUNOで発注した一点ものです。デザイナーの奥野さんは関西在住ですが、全国どこからでも受注されていますので、菊地のアレに似た感じの(或は、まったく同じものを)ものを、といった注文から、あなた独自のオリジナルな発注までオーケーです。
*延期になっていた「HOT HOUSE」の開催、ブルーノート東京年間ブッキングの第一弾ゴールデンウイーク、ダブセクステットのサーキット、「M/D」の文庫化、ラジオ番組「菊地成孔の粋な夜電波」スタート等々、菊地成孔春夏の情報群はコチラ↓
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=110414044040
まだ抜き打ちで寒さが戻る可能性があるとはいえ、どうやら完全に春が来たようです。四季の豊かな我が国ですが、ワタクシこの季節――冬から春へーーが、最も不適応でして、花粉症は酷いわ(現在、アレロックとクラリチンを服用し、何とか凌いでいますが、これも10日過ぎると効き目が下がってきます)、自律神経が暖かさに対応するのが遅いわで、一面ではもの凄く辛い訳ですが、もう一面ではもの凄く官能的、あるいは緩くて心地よい季節であります。まあ、今年ばかりは、どなたの自律神経もおかしくなっているでしょう。筋肉と内蔵と骨格と神経のバランスは、崩れたら崩れるに任せるのが得策です。
四季はどれも大好きですが、中でも一つ選べと言われれば、夏、それも酷い夏でありまして、酷ければ酷いほど良い。今年なんてアナタ、まあ、一筋縄じゃいかねえよな。どのぐらい一筋縄じゃいかねえと言えば、場合によっちゃ死んじまうかもな。というほどの酷い夏の到来が予想されますので(笑)、想像するだけでもうっとりしますが、今は目の前の、辛くて緩くて官能的な春を楽しむ事にしています。
和食と和酒をこよなく愛しておりますが、何故か花見に筑前煮と一升瓶というのが苦手で、どうやら野立てで飲み食いする分には、和食よりも伊仏食やトルコ/インド食がワタシにはフィットするようで、和酒和食はやはり室内に限りますな。インド料理なんて、夜室内で喰っていても、昼外で喰っている感じがします。
と、先日、僅か2時間ばかりだけ昼休みが取れましたので、コレクションの中からサンセールのロゼを引き抜き、新宿御苑に花見に行きました。食べ物は御苑の手前(というか、ピットインのすぐ隣)にあるドミニク・サロンのカマンベールとジャンボンクリュを挟んだだけのパンと、黒豆とヘーゼルナッツのリュスティックを買い、一人花見と洒落こみまして、部屋着のきったねえ格好で大変な人だかりの一角に座り、プラコップでサンセールを飲み、リュスティックを齧っておりましたら、僅か30分でフラフラになりまして、酔っぱらいの幻覚か、事実は小説よりも奇なり、しばらくして目の前に大変な年齢ではないかと思われる、古木の如き老紳士がやって来られ、ワタシをじっと見つめているので
「桜が凄く奇麗ですね。放射能ですかねやっぱり(笑)」
と、お声がけさせて頂くと
「根本に男の首が埋まっている。と坂口安吾が言いましたが」
「テリー・サザーンも同じ様な事を言ってますね」
「昭和38年の6月は、今よりぜんぜん放射能が多かったんですよ」
「ぼくが生まれたときですよそれ(笑)。そういえば桜が奇麗だった気がします」
「菊地成孔さんですね」
「はい」
「<死刑台のエレベーター>のリメイクはご覧になりましたか?」
「いいえ」
「日記に書いてないので。見たのに書いてないのかと思いまして(笑)」
「ご覧になりましたか?」
「いいえ(笑)」
「いやあびっくりした。角川の関係者の方かなと(笑)」
「良い日記です。孫があなたのファンでね。あなたは、LPはお出しに成らないの?」
「あー、いやいやいやいやいや。そのう」
「LPが欲しくてね。ジャケットが良いでしょ。アナタのは。お忍び中に失礼」
「いやお忍びって(笑)。よろしかったら一杯いかがですか?名もなきサンセールのロゼですが(笑)」
「いえ結構。次に新宿ではいつ演奏されますか?」
「えあの、あー、しばらく、新宿はないですねえ。はい」
「もっとやって下さい。わたし、いつ死ぬか解りませんし(笑)」
「いやみんなそうですよ。ね(笑)」
「そうでした(笑)。それでは」
と言って去って行かれまして、うわなんかヤバいジジイだな。等と口悪く呟いておりましたら、突如うわっーと風が吹いて花弁が舞い上がりまして、顔中に降り掛かって来たので、うわぺぺぺぺ、あいつ何かの神様かぺぺぺと、口に入った花弁を吐き出していたら、もう帰らねばならぬ時間。顔や服やパンについた花弁を剥がしながら帰途につきました。
震災以後、人っ子一人いなくなってしまっていた職安通りですが、中韓国の皆さんもすっかり戻ってこられ、というか、二丁目も三丁目も御苑も都庁も歌舞伎町もみんな含めた新宿全体が、自粛ムード、避難ムードによるこの一ヶ月のうっぷんを晴らすかのごとく活気を取り戻しております。デパート群の営業時間も自粛を解き、プレゴプレゴのレイト営業も復活し、ロマンスカーも走り出しました。
1000年に1度の、過去の様々な歴史を畳み込んだような、とても奇妙な春休みが、まるで学校の夏休みのようにして一ヶ月で終わった事。これは、都市論の一部として記録しておくべき事でしょう。そして、この春休みは、学校の夏休みとは違い、抑圧されたまま、即ち、傷と甘さを放ったままです。実に久しぶりで(震災と関係なく。今年に入って初めて。夕食が平均で25時からになっているので)クレッソにエールに行きました。
武田シェフが豪快に笑いながら「地震の時、ウチちょうどランチだったんですけど、みんな地上に出ちゃって、伊勢丹の所がもう人でいっぱいになったんですよ。それで皆さん戻って来て、また食べ始めたら二発目が来て、それでみんなお金払って帰っちゃった。あはははははは」と言いました。夜の8時からアルザスの安いグラスワインと自家製のパンがあり、人参のサラダと牛もも肉の赤ワイン煮がある暮らしに、ワタシも戻りました。「こんなにも有り難い事だったか(笑)」という、在り来たりな深い感謝そして、そもそも何が「戻った」のだろうか。という、実存主義的な疑問とともに。
先がまったく見えないまま、どんどん我々は抑圧した過去と繋がり直し、元に戻って行く。元に戻ったと思っているが、もう既にそれは元通りではなく、進化している。しかしこれは、とりもなおさず、社会ではなく、一個人が絶えず起こしている反復運動そのものです。ビューTVヴォーチェのMCが平子理沙さんから道端ジェシカさんに変わったのは、そういうことだと思っています。ワタシは、危機感が薄れたらいけないと言っているのではない。危機感が薄れたら、ちょっと寂しいのです。平穏無事でゆったり良い調子にやるのが良い。しかしどうやら、ワタシの平穏無事やゆったり良い調子というのは、絶え間ざる危機感と悲しみの上に成り立っているのだと、今回の震災は教えてくれました。人生は、うっすら解っていても、わざわざ知りたくない事だらけ。自然は残酷で、素晴らしいです。ラジオはあと45分でオンエアです。ディレクターさんからのメールによれば「ヤバげなギャグは、とりあえず全カット」だそうです(笑)。ごきげんよう。
菊地成孔の1行(厳密には数行)情報
<マネージャーのブログが引っ越しました>
* 2011年からフォームも新たに立ち上がりました。当欄以上に迅速かつ詳細ですので、菊地成孔の刻一刻と更新される日々の情報はコチラで↓
菊地成孔マネージャーの速報(ブログ)
http://naganumahiroyuki.seesaa.net/?1296834004
<菊地成孔の全集「闘争のエチカ」>
*アマゾンで買えるように成りました↓
「闘争のエチカ」商品説明(過去ログ)
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=100812132059
「闘争のエチカ」予告編(you-tube)
http://www.youtube.com/watch?v=M4Zy-TfGO_w
<DCPRG活動再開ライブ(日比谷野音)の音源を、DVDR+写真集の形で販売します>
*DVD-Rだけでも買う事ができ、写真集は受注印刷(プリントオンデマンド)に。DVDRになったのは、CDだと1枚に入りきらないからで、動画はありません。詳細は後日↓
http://natalie.mu/music/news/44853
<「オトトイのダウンロード数的には記録的な売れ行きだ」と高見Pが言っていたけれども、本当でしょうか>
* DCPRG活動再開ライブ2京都KBSホール/ボロフェスタのライブ音源を高音質配信にて販売中↓
* http://ototoy.jp/feature/index.php/2011012801
菊地成孔の関連サイト
<ニューメロ・トーキョー>
http://numero.fusosha.co.jp/extra/ito_kikuchi/
伊藤俊治先生との対談。という、脱力でも入力でもない、絶妙な湯加減のオトナのカルチャー対談になっております。連載のタイトルは「遊び飽きかけている遊び人達へ」。
<マトグロッソ>
http://www.matogrosso.jp/
http://matogrosso.jp/soundtrack/soundtrack-03.html
「マットグロッソ」というウエブマガジンです。小説にサントラはあり得るか?といった、まあ、文芸批評と音楽批評をくっつけたお遊びですね。
<「服何故01」>
http://ksuque.blog.drecom.jp/archive/278
菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。
<AYAKO OKUNO>
http://www.ayakookuno.com/main/top.html
現在、菊地成孔が着用している帽子の90%はAYAKO
OKUNOで発注した一点ものです。デザイナーの奥野さんは関西在住ですが、全国どこからでも受注されていますので、菊地のアレに似た感じの(或は、まったく同じものを)ものを、といった注文から、あなた独自のオリジナルな発注までオーケーです。
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<言葉尻を捉える>という慣用句がありますが、まさに尻を捉えた感覚と言いましょうか。
「通常は、DJさん目当てのお客様は3割で、7割がお店のお客さんなので、7割の方が読書と飲食を楽しんでいる方々ですね。でも明日は菊地さんお目当てのご予約がいつもより多めなので有り難いです。でもあんまり音量出せないんですみません」
と、ブルックリンパーラーの方に言われておりまして、慎ましいワタシは、この言葉の尻。そうですなあ「多め」とか「有り難い」とかいった尻をバッチリ捉えてしまいまして「まあ、自分の客4割、店の客6割。といった所か」と、そしてこれは当然、「では、あのお洒落カルチャーカフェな店に、読書やディナーに来ておられる見ず知らずの方々のリラックスタイムに邪魔に成らないようにプレイせねば。誰もコッチ見てないだろうから散歩着でよかろう。その方が粋であろう」といった結論に突き進んだのでありました。
そこで立てたプラン↓
<世にも不思議な物語計画>
2時間半のプレイタイムを30分ずつのオムニバスに切り、各編を
1) ブラジリアン編
2) アフロビーツ&エレクトリックマイルス編
3) マシンブギー&テクノディスコ編
4) インド音楽とブルースミックス編
5) 会場の様子を見てフリースタイルでやる編
とし、各編の冒頭に、タモリ氏が出てくる。
という構成にしまして、タモリ氏のパートはアンテーヌドゥで拾って来たフランスのニュース番組の会話の部分を使い、各編狂ったようにアゲアゲというよりも、淡々と地味に良い曲が並ぶ。という感じで、お洒落カルチャーカフェの空間に要らぬ刺激を与えぬ様、派手なコスリやアクロバティックなミックスも控えてプレイしました所、案の定、ライブ時の様にこちらを見つめている方は2~3方しかいらっしゃらず、他の皆さんは(すし詰めの満員。この不景気に有り難や)皆、飲み食いなさりながら会話や読書などをして実に楽しそうでしたので、レストランノイズ(会話や食器の音の総量)も結構な音量で天井の広い空間にバッチリフィットし、おーし良い感じ良い感じ。誰も(積極的には)聴いちゃいないな。プランニングばっちり。こういうのも良いよね~新宿っぽくて。
などと思いながら、レミーマルタンのソーダ割りが気がつくと5杯目になっており、最終パートのフリースタイル編の頃には結構酔ってまして(笑)。こういうとき、これみよがしに奇麗な流れを作って見事にフィニッシュ。みたいのはダサいよね~。垂れ流し感が良いよ。今日みたいなレスポンスの日は。と、ご機嫌で適当にフィニッシュし(最後の楽曲はジョージ・ラッセルの「ストラタスファンク」)。荷物をしまいまして、食事を楽しんでおられる皆様の邪魔に成らぬようにとひっそりと足早に会場を後にした途端、
場内全体から結構大きめな拍手がわき起こりまして、「あれ?あれ?え?なにこれ、凄いあったかいね新宿のお客さんは」と思いながらも、頭の上にクエスチョンマークを軽く浮かべつつ、軽く手など振って外に出、高見Pと打ち合わせに行ったのですが
「いやあ、今日のお客さん暖かかったねえ。時節柄みんな優しく成っているのかな。回してんの誰だか知らないのに。まあ名前ぐらいは見た事あるわ菊地成孔って。といった感じなのかね」
「え、何言ってるんすか。今日ほとんど全員菊地さんの客ですよ」
「アホか(笑)。まあ、4~5人知ってる人いたよ。いつもライブに来てくれる人。オレ、目、良いからね。遠くに居ても見えるのよね。確かに4~5人いた。いや7~8人かな」
「歳喰って目なんかすっかり悪く成ってるんですよ。僕、入り口の近くに居たんですが、随分かえしましたよ今日は。もう大入りでパンパンですよ。ライブ会場で見た事ある人いっぱいいましたよ~」
「アホか(笑)。だってみんな普通のお客さんだったじゃないか。会社の話とか友達の話とかしてたぞ」
「耳だけ良いままなんですよ。少なくとも9割は菊地さん目当てです。店のヤツがウハウハで言ってました」
「店はそんな事ひとっっことも言ってねえつうの!!」
「いやでも本当ですよ!!!」
「え、じゃあなに・・・」
「サプライズパーティーじゃないですか(笑)。みんなとぼけて、最後にハッピーバースデー。みたいな」
「それじゃあどっきりカメラじゃねえか!!誰が仕組んだんだよ!!みんな聞き耳立てながらしらばっくれて嫌いな友達の話とかしながらお互い写メ撮ったりしてたのか二時間半も!!上目ピースとかしながら!!」
「知りませんよ!!どっきりカメラなら日本テレビじゃないんですか!!菊地さんクラブプレイしかしてないからですよ。カフェプレイっていうのはこういうものですって!!」
「怖いなあ。皆さんいつのまにそんなスキルを身につけたんだろう。チラ見もなかったぞ。くそう油断した。油断なんていま一番のタブーじゃないか。クエートが石油めぐんでくれてるというのに。どうせ上の空だろと思ってブランデー飲んでしまい、何カ所か雑に繋いでしまった!!どうしてくれるんだ!」
「いいじゃないですか店も客も喜んでますよ。ブランデー最高じゃないすか。それより話戻しますが、東京ジャズの件(以下略)」
とまあ、文字通り<世にも不思議な物語>計画などという言葉尻を、カフェの神様に捉えられてしまった格好ですが(笑)、何せ近所ですし(徒歩5分)、リラキシンなヴァイブスも良いナイスなパーラーですので、どうかしたら月イチぐらいでプレイさせて頂こうと思いますが、次は油断も水断も原子力断も絶対にしません(笑)。お越し頂いた皆様に感謝致します。また共にリラキシンタイムを(笑)。本日は珍しくプレイリストを作って望みましたので、楽曲のお問い合わせにもお答えできます。ごきげんよう。
<キャプション>
プレイ中に会場内の写真を撮ったときも、誰もカメラ目線にすらならなかった!!リキッドルームのブースから撮るとレンズ前にみんな突撃して来るのに!!手配師でもいたのだろうか。
写真では確認出来ないかもしれないが、フリースタイル中によく起こる奇跡の瞬間。ザキール・フセインのライブに、ロバートジョンソンをミックスして(マリアージュ最高)楽しんでいたら、音源の残時間が2枚ともぴったり同じ(厳密にはぴったり1秒差)になった。要するに、このまま手を離してスピンさせておけば、二枚が同時に終わるという事(そうしなかったが)。
今日は良い感じで軽く行くぞ~と。会場入りする前に伊勢丹のトイレで一枚。まさか囲まれているとは知る由もないユルい季節の記録。春物のカーディガン卸してみました(メゾンマルタンマルジェラ謹製)。
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*DVD-Rだけでも買う事ができ、写真集は受注印刷(プリントオンデマンド)に。DVDRになったのは、CDだと1枚に入りきらないからで、動画はありません。詳細は後日↓
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* DCPRG活動再開ライブ2京都KBSホール/ボロフェスタのライブ音源を高音質配信にて販売中↓
* http://ototoy.jp/feature/index.php/2011012801
菊地成孔の関連サイト
<ニューメロ・トーキョー>
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伊藤俊治先生との対談。という、脱力でも入力でもない、絶妙な湯加減のオトナのカルチャー対談になっております。連載のタイトルは「遊び飽きかけている遊び人達へ」。
<マトグロッソ>
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「マットグロッソ」というウエブマガジンです。小説にサントラはあり得るか?といった、まあ、文芸批評と音楽批評をくっつけたお遊びですね。
<「服何故01」>
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春夏の情報追加(DCPRG等々)
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Apr-22-2011
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* 延期になっていた「HOT HOUSE」の開催、ブルーノート東京年ブッキングの第一弾ゴールデンウイーク、ダブセクステットのサーキット、「M/D」の文庫化、ラジオ番組「菊地成孔の夜の粋電波」スタート等々、春夏の情報群はコチラ↓
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(特に「粋な夜電波」以後のビギナーの皆様は「闘争のエチカ」をチェックされてください。当欄(菊地日記)を読んでいると、とても面白くかつ長いので、どんどん時間が経ってしまいます)
*「粋な夜電波」番組公式ブログ
http://www.tbsradio.jp/denpa/
緊急来日し、福島にも赴くというクレモンティーヌ氏(しかし、余りに基本的な問いだけれど、何故?)がライブを行いまして、斉藤和義さんの「歩いて帰ろう」を歌っていたのにはビックリしてしまいました(何故ビックリしているかは、ここのところ通しで当欄を愛読頂いている方にはご了解頂けるでしょうが、気になる方は「二つの沿岸にて」「歩いて帰ろう。のがよくね?」というタイトルのみお読みください)。ワタシは彼女のアルバムに参加した経験がありますが、彼女と面識は無く、しかしながら、USTのライブを見ながら「おまえオレの日記読んでる?!!」とタメ口で指差してしまいました。
あまりアナウンスしませんでしたが、本日今から渋谷にてクオシモードさんのライブにゲスト出演するのですが、いずれにせよもうソールドアウトです。さすがサントリーの後輩(意味の分からない方は、まあその、分からないままでお願い致します・笑)。
本日はライブ追加の速報です(まだどこにも出ていないので、本当にフレッシュな情報)。まだ詳細は書けませんが、まあその、DではじまってPで終わる、随分とポリリズムでファンクでエレクトリックマイルスなアレ。ですね、アレのアレは無いのかとお嘆きの貴兄に。
1) 6月6日に日本語で「液状の部屋」という意味のクラブ(スタンディング)でガツーンとやります。震災後初の東京でのギグになります。
2) 7月に、どこの何とは言えませんが、某屋外フェスに出演し、僅か1時間ほど演奏します。
3) その翌日に、1時間じゃとてもではないが全然足りないので、都内のクラブで3時間やります(スタンディング)。この日、丈青が欠席なので、何と濱瀬元彦ELFアンサンブルの天才キーボード、成澤さんが我々と合流します。
という訳です。詳報は近日中に流れると思われます。
一方、HOT
HOUSE派の皆様へ。5月13日に青山のCAYで、震災中止の敵を討つ形でパーティーはゴーズオンします。何と、7月9日、日本橋室町は三井ホールのチケットも既に売っております。この日は踊らず高見の見物を決め込む方々のシートもご用意してあります(冒頭の「春夏の情報群」参照のこと)。また「HOT
HOUSE」再開を祝して、シングル盤型のヴァイナルを切り、会場のみで販売します。A面チャーリーパーカーの何かをリマスタリング、B面ワタシとNADJAさんによるチャーリーパーカーのリミックストラック。これはヤバすぎる。
ブルーノート派の皆様におかれましては、あと二週間でいよいよ第一弾(5日ダブセクステット、6日ペペトルメントアスカラール)が行われます。特にペペには林正子さんもカヒミさんもいらっしゃいますのでワタシも入れて3ヴォーカル。贅沢もほどほどにしろ。
また現在、ブルーノート東京のワインリストとメニューをゲットしましたので、ブルーノートのスムリエ、バーテンダー氏、シェフと協力関係を結び、当欄にて<菊地成孔が選ぶブルーノート東京のメニューとワインの銘柄>をご紹介&解説させて頂きますので、当日のご注文の参考にして頂けると幸甚なるかな要チェックでお願い致します。
類家心平4とナオミ&ゴロー&菊地成孔のアルバムはガンガン製作が進んでおります(ブルックリンパーラーでスピンした、プリファヴスプラウトの「キングオブロックンロール」のヴォサノバ・カヴァーは、このアルバムに収録される、つまり前日に完パケたものです)。
贅沢を楽しみましょう。勿論、無駄に大金を使えという訳ではない。投機的にさえ金を使わなければ、それは贅沢である。150円のシュークリームを生活に必要なカロリー摂取だとするか、魂の悦び/歓び/慶びとするか、そもそもその選択が出来る。それが、特に取り柄もない我々人類の数少ない特権です。ごきげんよう。
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まずはビヨンセに。ダイエット成功おめでとう。とても美しいよ。でも、ミミの方が幸福そうに見えるんだ。これは「キャデラック・レコード」と「エージェント・ドーハン」の違いによるものだけではないと思う。
と、双子座のAB型というプロフィールの賜物か、まったく図らず、つまり偶然に、二つの大仕事が同時並行になる。というのは、もうすっかり慣れてしまって驚かなく成りました。逆に、大きな二つのプロジェクトが重ならずにちゃんと離れて(つまり、普通に)スケジューリングされたら、逆にワタシはドギマギしてしまうでしょう。昨今、英語の勉強のし過ぎに寄る物か、エロティシズムのアピール解放に自家中毒を起こし、イグジビショニスト(露出狂。ここでは、肉体の)傾向を見せている(勿論、褒めておるのです)安藤美姫選手の、練習用のコスチュームである網タイツの脇がちょっと破れていたのを見た時と同じ程度に。
ですので、現在、平行製作中の二つのアルバムーー我がダブセクステットの指名ナンバーワン、類家心平くんが韓流ジャズの貴公子ことキム・ハクエイくん(「貴公子」という渾名はユニバーサルのジャズ部の方が考えた凡庸極まりないコピーですが、実際に会うと伊達ではない事が解ります)をピアニストに擁する4ピースバンドのセカンドアルバムと、ナオミ&ゴロー&菊地成孔という特別ユニットの企画アルバム――が、ワタシのマネージメントサイドが調整した訳でもなんでもなく、両者のカンパニーが調整したスケジュールを並べた所、完パケ納品日がほとんど同じであり、あまつさえ一昨日と昨日が類家4のレコーディング、そして今日(というか、たったさっき終わった昨日)がナオミ&ゴロー&菊地成孔の、ワタシの演奏(サックスその他)のダビング最終日であった。などということぐらいは、当然でしょ。スーちゃんの旦那に隠し子がいるぐらい。という感じでありまして、これまた図らずも、ワタシの「3/11またぎ」の唯二つのレコーディング作品となりました。どちらのアルバムも、録音中にスタジオが揺れて、複数回中断しています。
前者ではプロデューサーとして、演奏以外のほとんど総てに携わっており、後者はコラボ企画のタレントの一人、そして共同プロデューサーの一人として、収録曲中半数の選曲と編曲、総ての曲にサキソフォンその他の演奏、そしてオリジナル楽曲を1曲提供しています(とはいえまだ書いていない・笑・これについては「粋な夜電波」の第三回をお聞きアレ)が、プロデューサーがこんな事を言うと単に業務上のミッションだと思われてしまうというリスクがあるのは承知の上で申し上げれば、どちらも営業トーク抜きの、マジで良いアルバムですのでお楽しみに。発売はこれまたどちらも大体夏頃でして、つまりプロモーション期間が被る訳ですが(苦笑)、これはこれこの通りワタシの星の巡りですのでご容赦願いたい。
さて、二つ平行と言えば、いよいよブルーノート東京での年間契約のプルミエとなります、2公演まであと一週間となりました。
5/5 ダブセクステット
5/6 ペペトルメント・アスカラールfeautカヒミ・カリィ/林正子
です。お間違いなきよう。いや、お間違いも楽しいかもしれません。両バンドの活動が平行されるようになって早4年、ダブ派ペペ派が結構はっきり別れて来た昨今ならばこそ、シャッフル如何でしょうか。ワタシは運動も節食もしない食いしん坊の平子理沙さん派だったのですが、ビューTVヴォーチェの司会がアスリート道端ジェシカさんになってから、どちらも更に好きに成りました。
現在の残席状況は、ブルーノート東京のサイトにありますが、5/5のファーストセットは祝日対応でかなり早く、何と夕方の5時半からでありまして、それじゃあピットインの昼と同じじゃんよ!!とばかりに、現在もっとも残席が多い状態ですが、最近はホストクラブもキャバクラ早朝から営業しているご時世、夕方営業に独特のプライズが生じているという事は好事家の間では有名ですので、、、、というのは冗談、、、、では無いのですが全く(笑)、それも含め、ワタシが贔屓筋の皆様に申し上げたいのは、ジャズの歌舞伎座と言われ、ある種の権威の象徴である名門ブルーノートを、どうかワタシと皆様とで軽く驚かせてやろうではありませんか。という事です。
勿論彼等は素晴らしい。しかし彼等は当然ながら、ブルーノートに来る様な外タレと、その外タレをブルーノートに聞きに来る様な感じの客層。をメインに対応する身体になっております。これは店のアデンティフィケーションに基づく事であり、悪事でも何でもありませんが、時折軽く驚く/驚かせる。というのは、上手くいった場合、リフレッシュや志気の高揚をもたらす事は御存知の通り。従ってこれは店、アーティスト、客の三者が皆得をする、正に三方一両特の大岡裁きという事になります。
勿論、驚かすというのは集客のみ指す訳ではありません。どうだい夕方なのにいっぱい入っただろう凄いだろうルーチンでタカをくくってろう驚いたか。というのは野暮の極地です。ナイスでグルーヴィーで、キュートですらある、つまり誰もが利を得るショックは、愛と知恵と行動力さえあれば、いくらでも得られ/与えられる事が出来るでしょう。
現在ワタクシ、ブルーノート東京のレストラン/バーセクションと接触を図りまして、先ずはワインリスト(着席すると誰にでも出されるグランドメニューではなく、頼まないと持ってこないアッチの方です)を特別に提供頂きまして、知り合いのワイン&音楽狂と共にアナライズに入っております。
ブルーノート東京には数多の非常に素晴らしいワインが用意されており、非常に優秀なスムリエも配属されていますが、どのブテイユがどれほどの数飲まれているか、実際のところまったく解りません(これは企業秘密に属しますので当然の事です)ので、今回、というより、2011年度いっぱい
<菊地成孔がセレクトする、ブルーノート東京で飲めるワイン>
を、シャンパーニュ、白、赤取り混ぜまして、価格帯別に10本厳選し、解説とともに、当欄にてリコメンドさせて頂く事にしました。
ワタシの音楽とのマリアジ、料理とのマリアジ(料理のメニューも、合わせて頂いています)を前提に、マジで選ばせて頂きます。ワタシの知識と経験だけでは味の推測がつかない、がコレ良さそう。というボトルは、ワタシが1年間かけて実際に自費で注文し、飲んでジャッジしてゆこうと思っております(まあその、飲む口実)。
勿論、これはあくまでちょっとした洒落、趣向でありまして、その店のワインの味を総て理解しているのはその店のスムリエだけであり、ワインセレクトはスムリエとの対話が総てなのは言うまでもありません。
が、残念ながら、「今夜のアーティストの音楽にあうワインは?」という質問をスムリエに投げかける粋なジャズファンに鍛えられ、シックに合わせるカベルネと、上原ひろみさんに合わせるメルローと、ロイ・ハーグローブjrに合わせるピノが常に想定されている、という、ある種の特殊職能を必ず持っていなければならぬ、非常に優秀なブルーノート東京のスムリエも、ワタシの音楽に対する経験は無に等しいのです。彼等がペペトルメントアスカラールに合わせるアリアニコをノータイムでチョイスするようになるまで、半年とかからないでしょう。ですのでこれは、プルミエにだけ通用する遊びと言えるでしょう。
「け。ブルーノートでワインセレクトだって?ファック」というあなた、「え?ワインのリコメンドなんて、今までのブルーノート族に対するショックじゃなくて、順応なんじゃないの?」というあなた、あなたはとても正直で善良な愛すべき人物ですが、たったひとつ、経験と左翼的な知性が足りません。あなたがエシェゾーを口にする時、ジビエではなくかっぱえびせんが最もマリアジするかも知れない。あなたがザ・スミスを耳にする時、ビールではなくテタンジェが最もマリアジするかも知れない。マリアジとは、極端に豊かで、極端に恐ろしく、極端に美しく、極大の治癒と高揚をもたらすものです。AとBが合うというのは政治であり経済であり科学であり詩である。セレクトリストは次回。ごきげんよう。
<キャプション>
湾岸にあるスタジオの類家心平ブース。
奥沢にあるスタジオの菊地成孔ブース
ダビング終わって早朝6時。朝帰りしてもハイですよ。
菊地成孔の1行(厳密には数行)情報
<マネージャーのブログが引っ越しました>
* 2011年からフォームも新たに立ち上がりました。当欄以上に迅速かつ詳細ですので、菊地成孔の刻一刻と更新される日々の情報はコチラで↓
菊地成孔マネージャーの速報(ブログ)
http://naganumahiroyuki.seesaa.net/?1296834004
<菊地成孔の全集「闘争のエチカ」>
*アマゾンで買えるように成りました↓
「闘争のエチカ」商品説明(過去ログ)
http://kikuchinaruyoshi.com/dernieres.php?n=100812132059
「闘争のエチカ」予告編(you-tube)
http://www.youtube.com/watch?v=M4Zy-TfGO_w
<DCPRG活動再開ライブ(日比谷野音)の音源を、DVDR+写真集の形で販売します>
*DVD-Rだけでも買う事ができ、写真集は受注印刷(プリントオンデマンド)に。DVDRになったのは、CDだと1枚に入りきらないからで、動画はありません。詳細は後日↓
http://natalie.mu/music/news/44853
<「オトトイのダウンロード数的には記録的な売れ行きだ」と高見Pが言っていたけれども、本当でしょうか>
* DCPRG活動再開ライブ2京都KBSホール/ボロフェスタのライブ音源を高音質配信にて販売中↓
* http://ototoy.jp/feature/index.php/2011012801
菊地成孔の関連サイト
<ニューメロ・トーキョー>
http://numero.fusosha.co.jp/extra/ito_kikuchi/
伊藤俊治先生との対談。という、脱力でも入力でもない、絶妙な湯加減のオトナのカルチャー対談になっております。連載のタイトルは「遊び飽きかけている遊び人達へ」。
<マトグロッソ>
http://www.matogrosso.jp/
http://matogrosso.jp/soundtrack/soundtrack-03.html
「マットグロッソ」というウエブマガジンです。小説にサントラはあり得るか?といった、まあ、文芸批評と音楽批評をくっつけたお遊びですね。
<「服何故01」>
http://ksuque.blog.drecom.jp/archive/278
菊地成孔のモード批評書「服は何故、音楽を必要としているのか?」の映像サイト(ファンの方が作って下さいました)です。これは本当に凄い。読みながら観ると、情報量が5冊分に増え、5倍お得。
<AYAKO OKUNO>
http://www.ayakookuno.com/main/top.html
現在、菊地成孔が着用している帽子の90%はAYAKO
OKUNOで発注した一点ものです。デザイナーの奥野さんは関西在住ですが、全国どこからでも受注されていますので、菊地のアレに似た感じの(或は、まったく同じものを)ものを、といった注文から、あなた独自のオリジナルな発注までオーケーです。
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