<2007年の概要>

 

 

オーチャードホールの3年連続の定例コンセールがスタートし、公式サイトに日記を書く。という二つのペースメーカーに乗り、歌舞伎町暮らしもリズムがしっかりし、仕事の平均ペースも完全に流れに乗り、音楽的/文化的なメッセージもフォーカスが絞られる。つまりお膳立ては揃った、といった形で、後はそれをひたすらジョブするだけ。と、この状態は基本的には9年いっぱいまで3年間続く。

 

また、第三の大きなペースメーカーとして、2月にマイコプラズマ肺炎を患ったのをきっかけに、日常的な飲酒の習慣が出来た事が挙げられる。それまでは味こそ好きだが舐める程度で、ほとんど飲めなかった酒が、肺炎きっかけでタバコを止めたら(喫煙習慣は小学生からなので、当時で既に30年近かった)いきなり飲めるように成り、料理は山ほど喰うが、水とグラスワイン一杯で肩身が狭かった下戸の料理店ライフが一転する。年齢は43から44へ。また、オーチャードホールでの定例公演の開始と並び、野宮真貴のソロ公演の音楽監督業が始まる(どちらも09年まで3年連続)

 

アルバムは多作だった前年を受け、二枚のみで、実質は1枚だけとも言える。4月にリリースされたDCPRG一期のラストアルバム「フランツカフカのアメリカ」は、制作中にバンドの活動休止を決意、このアルバムのお披露目ツアー「フランツ・カフカのアメリカ・リリースツアー」最終日のアンコール時に活動休止を宣言。また、クインテット・ライブ・ダブも活動を一端休止へ。一時的に活動バンドはペペ・トルメント・アスカラールのみになるが、新たにダブセクステットを結成。この年のぎりぎり12月にファーストアルバムを製作~発売する。

 

また年末はFNの連載「服は何故、音楽を必要とするのか?」の取材で、パリコレへ。パリへは既に何度も訪れており、04年に「南米のエリザベステーラー」のレコーディングのために行ったのが最後に成っていたが、初めて演奏でもプライヴェートでもなく、パリコレの取材者として訪れる事になった。また、渋谷bunkamuraオーチャードホールでの、3年連続の年末コンサート(2DAYS)がこの年からスタート。前述の「お膳立て」が完全に揃う。

 

書籍も前年に引き続き書き下ろしは無く、「聞き飽きない人々」のみ。これは05年に出版した「ロックもフォークもない20世紀」の、各ジャンルのエキスパートとの対談部分をノーカットで収録し直したもの。テレビ出演はNHK教育「知るを楽しむ〜マイルス・デイヴィス」(ギャラクシー賞受賞)とNHK総合「英語でしゃべらナイト」

 

公演歴も、アルバム数同様、あくまで数だけ見ると旺盛だった前年に比べて若干落ちるが、現在は閉店してしまった歌舞伎町クラブハイツというホームグラウンドを見つけ、オーチャードホールへ進出と、質的にはシャープ&ハイに向かっている。この年の「新宿ピットイン3デイズ」は前年と同じく山下、大友、南。

 

 

DCPRGが、前述の解散ツアー

 

2007.02.16  渋谷O-EAST " Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー

2007.04.14  名古屋クラブクアトロ “Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー

2007.04.15  心斎橋クラブクアトロ “Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー

2007.04.16  広島クラブクアトロ “Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー

2007.04.17  福岡Voo Doo Lounge “Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー 

2007.04.24  福岡Voo Doo Lounge “Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー 

2007.04.25  渋谷O-EAST “Franz Kafuka's AMERIKA”リリースツアー ファイナル 

 

 

クインテット・ライブダブが

 

2007.03.25  歌舞伎町クラブハイツ

 

ペペ・トルメント・アスカラール

 

2007.04.01  歌舞伎町クラブハイツ

2007.06.30  九段会館 夜のみだらな鳥 ゲスト:カヒミ・カリィ

2007.12.07  Bunkamuraオーチャードホール 「菊地成孔コンサート2007  

 

オーチャードホール公演の為にリユニオンしたCURE JAZZが

 

2007.12.08  Bunkamuraオーチャードホール 「菊地成孔コンサート2007」

 

しかし、この年の活動の、恒常的かつ最大の物はJ-WAVEの番組「THE UNIVERSE」のパースナリティ業で、前年9月から1年間続き、躁病的な狂気の「WANTED」から、良質の洋楽番組と歌舞伎町ライフ話のキメラという奇妙な癒し感のある番組として大変な人気を博した。

 

 

「日本の大事件」の中で記憶に残っている物はリンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件、ルネサンス佐世保散弾銃乱射事件、闇サイト殺人事件、TBSによる不二家の商品管理疑惑報道の捏造など。